About Us
私たちについて代表挨拶
地域福祉において社会的孤立や居場所づくりが課題となる中、地域住民が担い手となる多胎育児の当事者組織「多胎サークル」は地域にとってなければならない場所です。100件に1件の出産で多胎育児を行なっている私たちにとって、一個人として居住地域に、育児の悩みを共感できるような同じ位の年齢の多胎育児者を見つけることは非常に難しい状況にあります。したがって、乳幼児期から幼児期にかけて地域の多胎育児当事者同士が集うような多胎サークルや、子育て広場に自ら赴き、育児の悩みや喜びを気兼ねなく分かち合える場として、心から助けられた人たちも多くいることでしょう。もちろん私もその一人です。
今でも忘れない記憶ですが、初めて多胎育児サークルへ行くことができたのは、双子の娘たちが8か月になった頃でした。ずっとチラシを眺め、行きたい気持ちは大きかったものの、産後の体の不調や、半年の里帰り、その後も頻回に渡り実家に宿泊している中での参加は、道中から想像だけで大きな冒険でした。そんなシミュレーションを何度も何度も繰り返して参加した初回の記憶は鮮明に覚えています。月1回のサークル当日は雨が降らないか、子どもたちの体調は悪くないか、自分の体調は万全か、駐車場は空いているか、お昼寝のタイミングをうまく合わせることができるか、などのミッションで頭がいっぱいでした。タイミングが合わず、逃してしまった時の「また来月か・・・」という気持ちの落ち込みは何度経験したかわかりません。居住区での参加は月に1回のチャンスを逃すこともありましたが、当時幸いにも、居住区以外の参加も許された多胎サークルを見つけていたので、小1時間かけて参加したこともあります。なぜそこまで多胎サークルに参加しなければならなかったのか、それは先述したように、多胎育児サークルに参加しなければ同じ多胎育児者に会うことができなかったということであり、不安や、疑問や幸せの共感が得られる場所がそこしかなかったというわけなのです。
そして平時であっても孤立しがちな多胎育児者にとって、2020年以降のcovid-19による密の回避は、さらなる孤立が進んでしまった一方、より一層の繋がりの大切さを感じるようになったのではないかと思います。だからこそ多胎育児サークルの存在は以前よりも一層、地域の居場所としての意義があるものになったのではないでしょうか。しかし、特に自主的、独立的な当事者組織として活動している場合、運営代表者は多くの悩みを抱えていることと思います。どのように安定的に運営していけるのか、次世代に繋ぐにはどのような継承の仕方があるのか等、代表者が抱える不安や疑問に対しての答えが見出されるような場所がないことで、運営に行き詰まってしまい、閉鎖を余儀無くされることもあるでしょう。このような状況を目の前に、私たちは多胎育児者にとって地域の大切な居場所づくりを行う「代表者の居場所作り」も必要だと考えました。
地域の大切な居場所を、緩やかに安心して守れるような運営ができるよう、全国に存在する多胎団体の代表者へ他地域の情報を届け、交換し、さらには学びをも得、相談することができ、代表者自身が楽しく運営できるようアシストや、サジェストができるような組織を私たちは目指したいと思っています。
松本 彩月
副代表挨拶
私は双子が幼稚園に入園して少し手が離れた頃、自分の多胎育児の経験を活かして多胎支援に携わりたいと思い、まだ立ち上がったばかりの多胎サークルにスタッフとして入り、副代表から共同代表へとステップアップする形で就任しました。自分が支援される側だった時は、多胎サークルのスタッフって大変そう、企画運営はもっと大変そう、代表なんて未知の世界…と思っていた私。
実際に代表になってみると、様々な課題にぶつかりました。所謂、『人・場所・お金』の問題です。サークルの周知が上手く出来ず参加者が集まりにくい、スタッフが足りない、多胎家庭の交流会を開催したいのに場所がない、場所を借りるには会場費が必要、運営資金はどうしよう等、問題が山積みで、その都度悩みました。
そんな時に相談出来るのは他の多胎支援団体の代表さん達でした。「こうしたら上手くいったよ。こんなやり方もあるよ。大変だけどお互い頑張ろうね!楽しんで活動しよう!」そんな言葉を受けて、挫けそうになっていた自分を奮い立たせ、解決の糸口を見つけることが出来ました。
代表には代表ならではの悩みや負担があります。そして、同じ境遇の者同士が集まる居場所の大切さを、私達が1番良く知っている筈です。だからこそ、我々のような多胎支援団体の代表者にも居場所が必要だと考えています。
『ひとりじゃない』私達がよく多胎家庭へ伝える言葉を、今度は自分達へ還していきたい。私達にも必要な居場所で、一緒に未来を考え、共に歩んでいきましょう。
沢田 仁美
団体概要
代表理事:松本 彩月(マツモト サツキ)
設立日:2024年7月13日
所在地:512-8512
三重県四日市市萱生町1200
四日市大学総合政策学部 松本彩月研究室気付
活動内容:多胎支援団体代表交流会、多胎向けコミュニティ運営、多胎向けメディア運営